先日は都知事選もありましたが、人間というのは自分の外にある何者かを理想化したり、理想像を投影して見るものです
そのため支持する人に対しては、欠点なども認めず、絶対視しやすくなり、その人の批判はすべて間違いや悪だと思ってしまいます
どの政治家を支持するかは人それぞれですが、熱烈に誰かを支持している時、自分の中のものを相手に投影しています
なので自分の支持者を批判されると、自分が傷つけられたように感じて、激しく反応します
また政治以外には、宗教なども同じところがあります
世界にはいろんな宗教を信じている人がいますが、どこも自分の宗教こそは正しく、絶対であると思っています
そのため他宗との対立も起こりやすく、世界で戦争が絶えない原因ともなります
政治も宗教も、そのように人を没入させ、絶対視させてしまう傾向があります
それらは人間が自分の中にあるものを外に投影する心の傾向性があるからです
この投影の機能としては、自分の負の部分を相手に投影するというのは心理学でもよく言われています
嫌いな人と思っている相手には、実は自分の中にある受け入れられない部分を投影している事があるのです
たとえば弱弱しい態度の人を見ると、なんだかイライラして嫌ってしまうとします
実は自分の中にもそうした所があって、その部分に蓋をして拒絶している場合があります
自分の中にあるのは認めたくないですから、他人にそれを投影して見ているわけです
そのように自分の中にある否定したい部分を見せつけられるような人に会うと、どうしても嫌な気持ちになったりします
これらは負の部分の投影ですが、理想や聖なる部分の投影というものもあります
自分の中にも、理想的な像や、神性というものがあるのですが、人は自分の欠点や弱点などをよく知っていますので、自分の中にあることを認めずに、それを他人に投影するのです
そのため特定の政治家を熱狂的に支持したり、自分の宗教を絶対視するようになります
そして救いを外に求めるようになります
ある政治家が国を救い、自分を救ってくれる気になり、自分の信じる宗教こそが自分を救えるのだと信じます
しかし、本当の救いとは自分の中にあります
外にあるのではなくて、自分の中に存在するのです
まるで幸せの青い鳥を探し求めるチルチルとミチルのように、外の世界に求め続けています
本当の救いとはあなた自身のなかにあります
政治家や宗教があなたを救うのではなくて、あなた自身が自分を救える存在です
その真理を受け入れない為に、人は外に何かを探し求めていきます
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