2024年6月19日水曜日

ネガティブ発想でも成功する


一般にはポジティブで積極的な思考こそが成功への鍵と考えられていますが、なかにはネガティブな発想でも成功される人がいます

今年の2月に亡くなられたダイソーの創業者である矢野博丈さんの話を聞くと不思議な感じがします

ダイソーは言わずと知れた100均で大成功した企業で、日本全国にお店を開いています

日本が長期デフレに入った時期と重なって成功されたと思います

今年、創業者の矢野さんが亡くなられたそうですが、日本もちょうどデフレからインフレに進んでいる時期でもあるので、時代の変化を表しているのかも知れません

矢野さんはもともと魚の卸業をされていたそうですが、魚は足が速くてすぐに死んでしまうし、養殖の網から抜けて海に逃げたりもするので、大赤字となったそうです

ついに銀行からも見放され融資を断られたため、親類を頼って多額の借金をしたそうです

それでも業績が回復する見込みもなく、借金を返す目途もなく、ついに嫁と子を連れて夜逃げします

東京に夜逃げしていって、百科事典のセールスマンをします

歩合制なので、売れば売るほど実入りがあるのですが、矢野さんは押しの弱い性格でおしゃべりも下手だったため一向に売れなかったそうです

成績はいつもビリで自分の才能の無さを思い知らされます

矢野さんは倒産があってから「自分は運は無い」と思っていましたが、どこかで「才能はあるはず」と思っていたのを、見事に打ち砕かれたようです

神様に「お前は運もなければ、才能もない」と思い知らされたように感じたと言います

その後、トラックにバッタ品などの雑貨を積み込んで、移動販売を開始します

品ぞろえをしている最中に、待ちきれないお客が、「これいくら?」と聞いてきたので、値札を調べるのも面倒で「100円でいいよ」と答えます

すると次の人も「これは?これは?」と聞いてくるので全部「100円」と答えたら、それが好評となり、100均ショップのもととなりました

そこから少しづつ商売が調子よくなってくるのですが、ある日、店舗兼自宅にしていた所が放火にあい、トラックも在庫も全て焼けてしまいます

「やっぱりワシは運が悪い」そう自覚させるじけんだったそうです

矢野さんは「いつか大きな会社を創る」という思いを込めて大創産業と社名を名付けます

ですが、そんな大きな社名を付けていながら、内心では「いつ潰れるか」とビクビクしながら運営していたと言います

本人は常に、「こんな商売がうまくいくはずがない。ダイソーはどうせ潰れるじゃろう」と疑い続けてきたそうです

実にネガティブな発想です

矢野さんは常に「自分は運も能力もない人間だ」と思う事によって、人一倍頑張って来られたのでしょう

このように必ずしもポジティブ思考だけが成功するわけではなく、彼のようにネガティブ思考であっても、そこから努力して成功していく道はあります

基本的にはポジティブな方が道は開きやすいのですが、ともすると大コケする事もあります

ネガティブな方が慎重になり、着実に成功する秘訣になる事もあるでしょう

そのように努力次第ではどの道からも成功に近づくことが可能です

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