2023年7月20日木曜日

自分の過去が全て記憶されるアカシックレコード 唯識と潜在意識



西洋ではフロイトが、人間の心には潜在意識があり、それを学問的に探求しようとした人物と言われています

ですが、東洋の仏教では、フロイトよりはるか昔から、人には潜在意識があり、その働きを探求してきました

今日は仏教の唯識についてお話しします

唯識によると、あらゆる存在はただ八つの識によって成り立っていると言います

その八つとは以下のものです

まず人間の五感に相当する、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚があります

それに加えて私たちの表面意識があります

さらにその奥には、潜在意識のなかに、マナ識(末那識)とアーラヤ識(
阿頼耶識)があるとされます

五感と表面意識については説明しなくても分かると思いますので、その奥にあるマナ識とアーラヤ識についてお話しします

まずマナ識というのは、表面意識の奥にある意識であり、私たちが寝ても覚めても自分の事ばかりを考え、執着する心が、このマナ識だと言われています

マナ識の働きによって、私たちは自分というものに執着し、自分の事ばかりを考えるようになります

いわゆる自我の働きといってもいいと思います

私たちは自我の殻を被ることで、個として存在し、地上での体験をいたします

この殻がないと、地上では生きられないのです

そのため皆がマナ識という殻を被って生まれてきますが、この働きのために、いろんな苦しみも発生してきてしまいます

次に、マナ識のさらに奥には、アーラヤ識というものがあります

アーラヤ識は根本の識であり、この識によって前記のすべての識が発生してきて、肉体も生じてくると言われます

そして発生した識同士の相互作用によって、わたしたちは世界があると思い込んでしまいます

つまり唯識の立場にすれば、世界とは識が生み出した幻のようなものであり、難しく言えば「空」であると言います

このアーラヤ識には、過去に私たちが何かを行ったり、考えたりした事がすべて記録されて残されていると言われます

まるで動画を撮影しているように、すべての過去の記憶が残されているのです

その過去のデータが、世界を生じさせ、新たな思いと行為を生みだしています

みなさんはアカシックレコードというものを聞いた事があるでしょうか?

スピリチュアルに興味のある方ならご存知かと思いますが、宇宙の過去から未来まで、すべてのデータが記憶されている、膨大な宇宙記録だと言われています

このアカシックレコードにアクセスする事により、未来を予言したりするともいわれます

実はこのアカシックレコードには、宇宙全体を記憶する物と、個人のデータを記憶するものとがあります

個人のアカシックレコードというのは、その人が行った行為や、思ったこと考えた事のすべてが記憶されているものです

よく死ぬ寸前に、人生の記憶が走馬灯のようによみがえると言い伝えられています

これは一時的に自分の個人アカシックレコードにアクセスしたからです

死を前にして、そうした事がおこります

ちなみに、死後にその人の生前の思いと行いが、閻魔様のまえで、浄玻璃の鏡に映し出されると言われています

これはその人の持つ個人のアカシックレコードによって、生前の行いが再生されるのです

そうしてどのような思いと行いをしたのか、アカシックレコードにアクセスすると分かるようになります

この個人のアカシックレコードというのが、唯識で言われているアーラヤ識の事だと言えます

様々な過去の思いと行いが記憶されており、それが業となって、次の生まれ変わりや、人生を決めたりします

そのように未来をも生じてくるのです

さらに唯識では、これらの識も実体のないものだとして、すべては空であると説いています

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