美意の按配ということわざがあります
話にはいろんなバージョンがあるようですので、少し小説風に紹介してみたいと思います
ある国の王様が、家来と共に狩りに出かけました。
王様は狩りが好きで、いつものように喜んで出かけたのですが、その日は何故か、獲物が全然見つかりません。
そこでいつもは行かないような森の深いところまで出かけていきました。
すると突然、森の中から大きな虎が現れて、王様めがけてとびかかってきました。
「ぎゃああ!」襲い掛かる虎を振り払おうとした手に、虎が鋭い牙を突き立てたのです。
慌ててやってきた家来が、剣で虎を追い払うと、虎は森の中へと逃げていきました。
王様は、小指を食べられた痛みと恐怖に震えながら、家来に向かって叫びました。
「お前がしっかり守らないから、虎に小指を食べられてしまったじゃないか!」
家来は、王様の怒りにも動じずに、冷静に答えました。
「これは、私の所為ではありません、美意の按配です。全て決まっていることですから。仕方ないのです。」
王様は、家来の言葉に憤りを感じました。
「美意の按配だと?何を言っているんだ!私の小指が無くなったのは美意の按配か?」
「はい、そうです。美意の按配です。」
「馬鹿なことを言うな!お前は私に逆らっているのか?」
「いいえ、逆らってはおりません。ただ事実を申し上げているだけです。」
王様は、家来の態度に我慢できませんでした。
「よし、お前は牢屋に入れてやる。そこで美意の按配を味わってみろ!」
「かしこまりました。それも美意の案配です。」
王様は、家来を牢屋に送り込みました。
その後、王様は再び狩りに出かけました。
家来が牢屋に入っているので、王様はひとりで狩りに出かけたのです。
しかし、王様は森の中で迷子になってしまいました。
そして、森の部族に見つかって捕まってしまったのです。
王様は神の生贄になることが決まりました。
王様は泣き叫びました。
「助けてくれ!私は王様だ!私を殺すな!」
しかし、森の部族は王様の言葉を理解しませんでした。
彼らは王様を祭壇に縛り付けて、ナイフを振り上げました。
その時です。
森の部族は王様の小指が欠けていることに気付きました。
彼らは驚きました。
「この人は不浄だ!神に捧げることができない!」
彼らは王様を解放しました。
そして、森から追い出しました。
王様は危ういところで助かったのです。
国に戻った王様は、家来を牢から出して謝罪しました。
「小指が無かったおかげで命拾いした。すまなかった。」
家来は微笑みました。
「私のおかげではなく、これも美意の按配です。それにもし私を投獄せずに狩りに連れて行かれたとしたら、私が生贄にされていたでしょう。牢屋に入れられたおかげで私は助かったのです。」
王様は驚きました。
「そうだったのか…それも美意の按配だったのか…」
「そうです。全て美意の按配です。」
王様は家来に感謝しました。
「ありがとう。君は本当に賢い家来だ。これからも私に仕えてくれ。」
「喜んで仕えます。それも美意の按配です。」
これは神様の采配によって、運命として定められている事がある真実を伝える物語です
そして、地上の私たちには不運に見える事も、実は深い意味があり、そこには神様の采配がある事を意味します
私たちは自分の望まない出来事が起こると、それを不運として嘆きますが、そのにも何かの意図があるのかも知れないのです
その運命の意味を知る事で、私たちは自分の人生を生きることが出来ます
新刊『アースチェンジ——近未来の警告書』では、これから訪れる地球の変革について書いています
昨日まで自分が作ったものを、残すべきか、無くすべきか、凄く迷っていたのですが、この記事を読んで、「そうか、天意に任せれば良いのか!我々地上の人間の尺度で決めたらあかんのやな!」と思い、少々粗削りなものにはなってしまいましたが、残すことにしました。ご教授ありがとうございます!
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