ここにA君という男性がいます。昔の知り合いをイメージして想像した人物像です
A君はやせ形で身長は少し平均より高いくらい、眼鏡をかけて神経質そうな顔だちをしています
A君は、同じ会社に勤めていましたが、彼の口からはいつも会社への不満が出てきました
「上司が分かっていない」とか「同僚の誰それはうまいことやってズルい奴だ」、「うちの会社は安い給料で働かせてブラック企業だ」などと、他人の悪口や、会社への不満を口から良く出ていました
そのA君と飲みに行ったときに、家族の事を聞いてみました
「君のお父さんはどんなひと?」
「親父はうだつの上がらない普通のサラリーマンさ。出世からは見放されて、安い給料で毎日ペコペコ頭下げて情けない」そういって嫌そうな顔をします
「お父さんの事嫌っているの?」
「むしろ憐れんでいるんだ。何が楽しくて生きているんだろうね。僕はああはなりなくないよ」
「でも、君のお父さんは家族のために頑張って働いているんだね」
「親父はろくに趣味も無くて、仕事だけが生きがいで働いているだけさ。それでいて会社からは認められないんだよ」
「きっと趣味を見つける時間も無く、家族を養うために一生懸命にはたらいてきたんじゃないのかな」
それをきいても彼は父親への気持ちは変わらないようでした
少し話を変えて、実家のことを聞いてみます
「いまは実家に住んでいるんだって?」
「ああ、住むのに金がかからないからな。こんな安月給の会社勤めじゃ、仕方ない。本当はあんな辛気臭い親の居る家は出ていきたいんだ」
「家賃もタダで、お母さんが食事も作ってくれるんだろ?おまけにお家の掃除や洗濯までしてくれる。見方を変えたら贅沢な暮らしだな」
「親なんだからやって当たり前の事さ。それなのに家にお金を入れろだとか、早く結婚しろだとか、いちいちうるさいんだよ。どこか給料の良い会社に転職して、タワマンにでも引っ越したいな」
A君はそのように、家族についても不満だらけです
彼を見ていると、けして幸せそうに思えませんでした
そしてしばらくして、彼はリストラにあってしまいました
経営が苦しくなって、多くの人が首になり、彼も対象になってしまいました
話に聞くと、やめる時の飲み会では、だいぶ会社に毒を吐いていたそうです
その後は消息が分からなくなったので、どうしているかわかりません
彼の望み通り、いい就職先を見つけて、高給取りになっているでしょうか?
ですが、あまり良い未来は感じられないのです
A君には、物事についていつも「あって当たり前」という思いが強かったのだと思います
仕事があって当たり前、給料がもらえて当たり前、両親が働いて当たり前、身の回りの世話をしてくれているのも当たり前
すべてが当たり前の世界で、感謝することを忘れていました
人は今あることの幸せを見失ってしまう生き物です
失ってはじめてその幸せに気づくのかも知れません
幸せに近づくためには、「当たり前」という思いを捨てる事です
様々な出来事があるおかげで私たちはこうして生かされています
その事に気付いて、感謝して生きる事が、幸せへの道だと思います
あなたもA君のようになっていないか、今一度ご確認ください
A君のようなこと言ってますね。それで後から反省して落ち込んでます。なかなか直らなくて悩んでます。
返信削除いつも深いお話ありがとうございます。
返信削除日々に起こる事に感謝できると人は変わると思います。