日本の漫画作品に「サトラレ」という物語があります
「サトラレ」とは、その人の思ったことが、思念波となって周囲に伝播してしまう症状を示す架空の病名のことです
サトラレの患者は例外なく国益に関わるほどの天才なのですが、本人に告知すれば全ての思考を周囲に知られる苦痛から精神崩壊を招いてしまうため、日本ではサトラレ対策委員会なる組織が保護しているという設定です
つまり本人には、自分の考えが周りに伝わっている事を知らせないようにしている、という話です
おそらくは日本の昔話にある「サトリ」という妖怪、人間の考えを言い当ててしまう妖怪の逆バージョンという事でサトラレと名付けたのでしょう
サトリ=覚は、山に住む毛の長い生き物で、人間の思いをよく察して、「今この様に思っているだろう」などと考えを察したりするそうです
サトリの場合には、その妖怪が人間の思いを見抜くわけですが、漫画のサトラレでは、その人の考えを、周りの人が分かってしまうというものです
もしも自分の考えが、周りに知られるとなると、それはやはり厳しいでしょう
悪いことを考えたり、相手の悪口を心の中で思っていても、それが伝わってしまいます
ご近所の方とお会いしても、表面上はニコニコして、楽しく会話していたとしても、心の中では「最近太ったわね」とか「たいした稼ぎも無いのに、無理してローン組んでたいへんそう」などと思っているかも知れません
それらの思いが相手に伝わってしまうと、地上では生きづらくなってしまいます
営業なども、愛想良くしていないと仕事になりませんが、もしも本心が漏れてしまえば、相手を不快にさせることも多いのではないでしょうか
ただ、思いが相手に伝わると良い点もあって、詐欺などは無くなります
他人を言葉巧みに騙してやろうとする人も多いですが、そうした人は心の中が筒抜けになると、悪いことが出来ません
そして悪い事を考えている人が近くにいると、事前に逃れることも出来る為、犯罪抑止になります
また捕まった場合にも、いまは犯人が自供しないと、証拠品を集めたりなどしてたいへんですが、思いが分かるなると、すぐに犯人かどうかも分かってしまいます
そのように犯罪を防ぐ力というのは強く働くでしょう
この世では、相手の思いが分からない為、いろんな悲喜劇が起こり、ドラマが演じられます
あの世においては、人間の思いというのは、ガラス張りのように、相手に伝わります
以心伝心という言葉もありますが、言葉を発しなくても、霊界では相手に思いが伝わるのです
みんながテレパシーの使い手になったようなものです
そのため悪い思いを持っているような人は、天国に住むことが出来ません
何か良からぬことを考えていても、その思いは周囲に気づかれてしまう為、みんなの周りに溶け込んで住めないのです
ですからあの世では、他人に見られても恥ずかしくないような思いを持っている人たちが、天国で暮らしています
そして悪いことを考えている人は、悪い者同士で、暗い世界に住むことになるのです
そのため生きているうちに、反省の習慣をつけるようにし、自らの思いを点検し、思いがみんなに見られても恥ずかしくないような生き方をしていくようにするとよいです
心が澄んで綺麗になっていくと、あの世でも綺麗な世界に帰れます
心が濁って淀んだ思いを発していると、あの世では下水の世界のような所に落ちてしまいます
そのようにあの世に帰って住む世界を分けられるのは、その人の発する思いの性質によります
はたして自分がどのような思いを日々発しているのか、点検してみることが大切です
2 件のコメント:
うっかりよこしまな思いが去来すると「今記録された?」と焦り、時々浄玻璃の鏡のことを考えては、過去の恥ずかしい自分を思い出してアアアアアー!となってます。
「心の中がわかってしまう」というのも死を恐れる理由の一つなのかもしれないと思いました。
生きているうちに自分の心と真摯に向き合って、心を綺麗にしてあの世に行きたいです。
それが今世の生きる意味かもしれません。
ありがとうございました。