面白いことに、成功の多い人は、成功したのは実力によってなされるとする考えを持つ傾向が強くなるようです
一方で、失敗体験が多い人は、自分が悪いのではなく、外部の環境が悪かったと考えます
事の時の成功や失敗というのは、受験とか就職とか、出世や起業などです
自分がいい大学に進学して、良い就職先に行かれた人は、たいていが自分の実力によって成功したと考える傾向にあります
自分が一生懸命努力した結果とか、才能があったからだというように考えるわけです
そうすると成功しなかった人や、失敗続きの人や、弱者と言われる人には、厳しい見方をしがちです
彼らは自分に甘いからそうなったのだとか、努力不足だというように、突き放す傾向が生まれます
ですが、実際には、優秀とされる大学に進学している人というのは、家庭がやはり高収入の世帯が多いのです
たとえば日本で一番難関とされる東大生の親の場合、世帯年収950万円以上の家庭が62.7%もあるそうです
一般の同世代の年収950万円以上は12.2%パーセントにすぎないそうですから、いかに東大生の親がお金持ちかがわかります(教育社会学者の舞田敏彦氏調べ)
日本だけでなく、アメリカではいっそう顕著だそうで、ハーバード大学の学生の親の世帯年収は、52パーセントが年収12.5万ドル(約1,300万円)以上となっているそうです
こうした東大やハーバードなどの、一流の大学を卒業される人の多くは、自分の実力で成功したのだと思う人が多いのですが、実際には経済格差がそのまま教育格差にもつながっている実態があります
一方で、今度は何かに大きな失敗をした人の場合には、自分が悪いのではなく、親が悪いとか、環境が悪かった、社会が悪いのだと、外部の責任にしがちです
自己責任を棚において、問題を外部に向けるのです
最近流行りの「親ガチャ」という言葉にも、そうした思いがあるのでしょう
ですが、同じような環境に生まれ育っても、将来に違いが出るのは事実です
貧しい家庭に生まれても、将来は成功する人物もいますし、厳しい環境の中に生まれても、未来に花咲く者もいます
先ほどは親の収入など、環境によって成功する部分もお話ししましたが、それだけではなくて、やはり個人の努力の部分もあるのです
また同じ人でも、時と場合によっては、この見方が逆転するものです
たとえば事業などを興して、はじめのうちは成功して、どんどん仕事を大きくしていくと、自信がついて成功は自分の才能のせいだと思います
ですがいったん、コロナ禍などで業績が落ちて行くと、時期が悪いかったとか、政府が悪いのだと、環境のせいにするようになります
このように、同じ人間であっても、成功している時には、自分の力だと過信し、調子が悪くなってくると、環境のせいだと外部の責任にしだします
人はともすると、自分の都合の良いように物事を見てしまいますから、自分が成功していれば、自分の成功は実力であって、自分の力だと思いがちですし、逆に、失敗が続いたりすると、世の中が悪い、親が悪いと、環境のせいにします
どちらも極端であって、バランスを崩した見方をして、世の中の真実を一面しかみていません
このような思考に陥ってしまいがちですが、成功したら、みんなのおかげで出来たのだと謙虚に受け止め、失敗したら、自分の過ちを反省するようにしましょう
それが真実の道を歩んでいくための方法です
2 件のコメント:
「運が良かったから」「偶然が重なって」などと言われていた成功者も、後に傲りや慢心が出てきて失速し、落ちていったりします。
お金や他人の念というのは人を変えるので怖いです。。
常に自身を点検して反省し、感謝と謙虚な気持ちを持ち続けたいと思います。
成功しても謙虚な方として思い出したのが20年ほど前にノーベル賞をとられた田中耕一さん。
ずいぶん前に読んだ書家で詩人である相田みつをさんの「いいことは おかげさま わるいことは 身から出たさび」という言葉を久しぶりに思い出しました。私は相変わらず全然その域には到達していませんが(笑)。