智者は五つの知である「時、難、命、退、足」をよく養うことによって、難局を乗り越えると言います
これは宋の時代の李鐸という人物が説いた五つの知です
時を知ること
難を知ること
命を知ること
退を知ること
足るを知ること
この五つの知を得る事で、難局を乗り越えるとされます
現在もコロナ禍で個人や企業にも多くの難局が訪れていますので、この言葉を紹介いたします
それではひとつづつ見ていきたいと思います
まず「時を知ること」が出てきます
これは時代の流れを見て、今はタイミング的に良いかどうかを判断する知恵です
コロナ禍はすぐに止むだろうと思っていた人は、間違った判断を下してしまったかもしれません
時流を見極め、この時期でも時流を正しく判断し、時流に乗れる人が、難局を乗り越えていけます
次に「難を知ること」があげられます
難を知るとは、問題の本質をつかみ、正しく把握する事です
何が問題なのかを正しく知らなければ、課題をクリアーできません
そしてつまづく原因は、自分にある事と説明されます
他人のせいや、環境のせい、時代のせいにしていては、難局を乗り越える事が出来ません
たえず自分の問題としてとらえる事で、改善点が見つかり、難を克服していけます
そして「命を知ること」と述べています
命を知るとは、自分に与えられた使命を知ることです
自分を知らなければ、周囲に流されてしまいます
自分の使命とは何かを知り、その道を突き進んでいく事が大切です
次に「退を知ること」が来ます
自身の出処進退の時を知ることでもあり、ここは進むべきか退くべきかの判断を知ることでもあります
ご自身の出処進退を判断できず、晩節を汚す人もいます
政治家などをみても、ここは退くべきだという時に、その判断が出来ず、地位に固執することで、世間の批判が高まり、晩節を汚す人が多いように見受けられます
ご自身がどこで退くべきかを見極める事で、挽回の機会も訪れるでしょう
他にも進退の判断はいろんなところにあります
いま会社に残るべきか、それとも辞めて次の会社に行ったり、事業を始めるべきかの判断もあるでしょう
会社を辞めるべきかどうかの進退の判断もあります
あるいはお店をやっていたり、会社を経営している人でも、コロナ禍もあって、ここで辞めるべきか、それとも進むべきかの判断に迫られる場面もあるでしょう
何時まで続けていても、赤字と借金が膨らんでいるばかりになる事もあります
進むを知って、退くを知らない人も多いかと思います
ここまで来たら撤退すると、ラインを決めていれば、傷口も小さくて済みます
そして次のチャンスの目も出てきます
最後に「足るを知ること」とあります
足るを知るとは、現状の与えられた状況を知っているという事です
足るを知らない人は、いつも不平不満ばかり出てきます
足るを知る人とは、感謝の思いを持つ人と言えるでしょう
老子の言葉に「足るを知る者は富む」というものがあります
自らの分をわきまえて、それ以上のものを求めないこと
分相応のところで満足することと説明されます
過ぎた欲が身を滅ぼしてしまわないように、自らの分をわきまえる事も大切です
これらの五つの知を、難局が訪れたときの参考にしていただけたらと思います
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