2021年2月27日土曜日

ご先祖様の祖霊化とスピリチュアルな真相


古来の日本では祖霊という考えがあり、現在でも日本人の思想の中に残されている部分があります

亡くなったご先祖様の霊は、死後に一定の時期を経て祖霊という、ご先祖様の霊の集合体と一体になり、そこからまた現世に生まれ変わるという思想です

インドで生まれたお釈迦様の説かれた仏教では、輪廻転生の思想がはっきりしており、人間はあの世とこの世を生まれ変わって行き来するものだと説きました

この仏教の思想が日本に入ってきたのは古墳時代ですが、それよりも先に日本では古来より生まれ変わりの思想が根付いていたといえます

かつての人々の持っていた時間の感覚は、円環的時間だったとも言われます

円環というのは、始点と終点が繋がっており、永遠に繰り返されるものです

誕生して成人し、亡くなってから祖霊化過程があって祖霊となった後に、またこの世に生まれ変わるという繰り返す時間です

人が生まれると、成人するまでのあいだの過程があります

誕生してから、お食い初めとか、百日祝とか、七五三祝いなど各節目に祝をします

そして二十歳の成人式をもって、立派な成人となっていくわけです

このように誕生から成人するまでの過程を経て、人は一人前の大人になっていきます

古代の日本では、ご先祖様の霊も、祖霊になる過程があると考えられてきました

そのため、初七日や四十九日があり、一年忌、三年忌、七年忌、などを経て三十三回忌で”弔い上げ”といわれます

人がこの世に生まれてから様々な祝をして成人となっていくように、ご先祖様の霊も弔いを行っていって最後には弔い上げして過程を終えます

この三十三回忌の弔い上げが終わると、ご先祖様の霊は個性を失い、祖霊と一体になると考えられてきました

この祖霊は、私たち地上に生きる者たちを守る、守護神的な存在であると考えられています

さらに祖霊というご先祖霊の集合体の様な存在から、その一部が現世(この世)に生まれ変わってくるとする考えがあるわけです

では、スピリチュアルな観点から、この祖霊という考えを見ていきたいと思います

まず人間の魂がこの世とあの世とを繰り返し生まれ変わっているとする考え自体は霊的に正しいものでしょう

人間は地上世界に肉体をもって生まれますが、死後はあの世の世界に魂として帰っていきます

そして時が経つとまた、この世へと生まれ変わります

ご先祖様の霊を三十三回忌までは弔うと言う意味はどうでしょうか?

これにはご先祖様の霊の中には、真っすぐに浄化してあの世に帰れずに、この世に留まっている霊がいる事を示しているのかも知れません

まだ浄化されていないご先祖様の霊に対して、供養することで正しくあの世へ上がっていただくという考えがあるのでしょう

それと亡くなってしばらくは、浄化した霊であっても、まだこの世に関心を持ち、子孫にメッセージを送ろうとしたりするので、そうした関心が残っている時期を指している部分もあるかと思われます

亡くなられてしばらくは、やはり残された子どもたちの事などが気になりますので、あの世に無事に帰られた霊であっても、関心を持ってこの世を見ています

そして時折、子孫の夢の中に現れて思いを伝えたりとか、何らかのメッセージを送ろうとする場合があります

こうしたこの世への関心がいまだに残っている時期として、三十三回忌の弔い上げの期間が考えられているのではないかと考えられます

三十年では一世代が過ぎますので、そうすると亡くなられた霊であっても、時代が変わってきますので、この世への関心はもう薄らいでいる事と思います

このように未浄化な霊がこの世にとどまっていたり、あの世に帰った霊が、この世に関心を向ける時期として、三十三回忌までを想定しているのかなと感じます

それを過ぎるとほとんどの霊は浄化が進んで行ったり、もうこの世に関心を示さず、あの世の生活に入っていきますので、これをもって祖霊と一体化したものと考えているのでしょう

祖霊と言うと集合霊のような印象を受けますが、実際には人間の霊は個性化が進んでいるため、あの世ですべての先祖の霊が一体化するという事はありません

ですが人間の魂というのは肉体に宿った部分だけではなく、実際にこの世に生まれてくるのは、魂全体からすればその一部であると言うのは霊的真実です

大きな魂の存在の中から、その一部が肉体に宿って生まれてきているのが霊的真実です

そしてあの世に帰れば、個人差はあるでしょうが、その元なる魂全体と一体となる感覚のなかにあります

この魂全体には、この世に生まれてきていない部分のなかに、いわゆる守護霊といわれる存在もいます

このように地上の肉体を宿った部分は、より大きな魂の一部であるという霊的真実を、祖霊という考えは反映しているようには思えます

ただ、この魂の全体というのは、ご先祖様で集まっているのではなくて、いろんな地域と時期に生まれた者たちの集まりです

ですので魂として繋がっている守護霊様が、外国人であったりもするわけです

祖霊の考え方は、一部霊的真実を示している部分もありますが、完全に正しというものでもないようです

正しい霊的知識が広まる事が望ましいですね

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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

スクール生ですが今日のスピブログは大変勉強になります!

この世の30年が経てばほとんどの霊が浄化しあの世の生活に入っていくのですね。
ここで自殺の場合の浄化がかなり遅いということに気付きます。
祖先が約100年前に自殺しているのですが、霊視してもらったらまだ未浄化だそうです。
でももう少しで成仏しそうな感じとのことでした。

それから面白かったのが「そしてあの世に帰れば、個人差はあるでしょうが、その元なる魂全体と一体となる感覚のなかにあります」との部分です。
魂の兄弟との一体感に個人差があるのですね。
これはもしかしたらこの世においても共感能力が高い人ほど一体感を感じ、逆に共感能力が低い人ほど一体感を感じにくいのではないかなと思いました。違うかな〜。

松本 世衣來(せいら) さんのコメント...

私の実家はとても御先祖様の年回忌などにとても厳しく拘りの強い家系です。
洪先生に解説をしていただいてとても勉強になりました。
ありがとうございます。

今後のコメントは X(旧Twitter)にてお待ちしております。