先日は「お釈迦様の悟りとは何だったか?」という記事を書きました
仏教の開祖であるお釈迦様が、はじめに悟られた内容を紹介しました
簡単に言うと苦楽の中道と、人間には過去世(前世)、未来世があり、苦の原因があって結果を受けている連鎖があると悟られたわけです
人間は過去・現在・未来の三世を生きる存在であり、そこには原因結果の法則が厳然とある事を伝えています
ひとはなぜ自分がこのような目に合うのだと不満を持つことがあり、世の中は理不尽のように見えますが、実際には過去にその因を作っていて、現在その報いを受けているのです
そうした因果の理法がある事をお釈迦様は教えました
この教えからさらに論理が展開していって、初期の教えである四諦・八正道が説かれます
四諦というのは四つの真理ということで、苦・集・滅・道の四つを言います
まず苦というのは、人生の真実を知らないまま、この世に縛られて生きている状態が苦であるという真理です
たとえば死んだら終わりだと考え、肉体欲をはらす快楽こそが幸せだと思って生きているような人生は、実は苦しみであるとするものです
世の中にはあの世を否定して、唯物論を信じ、死ねば終わりだとする考えに生きる人が多くいます
そのように魂の真実を知らず、無明に生きている事こそ苦であると知る事が苦(苦諦)です
そしてその苦しみを生みだしている原因を知る事、無明を知り、囚われを発見することが集(集諦)です
苦には原因があって生じているわけです
その原因には、人生の真実を知らない無明がありますし、この世への執着によって苦しみを生みだしている事があります
そうした苦の原因を発見していく事が集諦です
さらに苦の原因を滅していこうとする事を滅(滅諦)と言います
苦しみの原因を断って、安らぎの境地に到達しようと決意することです
修行の心や菩提心とも言えます
最後に、苦の原因を滅する原理として、八正道を実践することが説かれています(道諦)
苦しみの生存から抜け出すために、八つの正しい道を実践し、安らぎの境地に達することを目指します
この八正道というのが、正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定の八つの事です
八正道を実践していく事で中道の生活が送れるということです
そして八正道の実践により、悪い種をまかずに良い種をまいてその結果を得るという考えです
自分の思いや行動などを正していく中で、よい未来が訪れるとするものです
こうした正しさの実践にこそ、苦の原因を断ち、明るい未来を開いていく秘訣があります
善い思いと行いは、善い結果を生じ、悪い思いと行いは、悪い報いを受ける事となります
因果の理法があることを悟る事が、真実への目覚めの第一歩となるでしょう
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