比較的新しい心理学としてポジティブ心理学というものがあります
ポジティブ心理学と言うのは、1998年に心理学者のマーティン・セリグマン氏が、アメリカ心理学会の会長に選出された際に提唱した心理学です
今までの心理学というのは「うつ」であったり「無気力」といった精神疾患を治療する事が中心でした
それは人の心のネガティブな側面のみを扱っていたと言えます
これからは人が持つ心理のポジティブな側面に焦点を当てていく心理学が必要だと提唱したのが始まりとされています
もともとはこのブログでも紹介した事がありますアブラハム・マズローが『人間性の心理学』のなかでポジティブ心理学という用語をつかっていました
今までの心理学では科学的な検証性に乏しい面があったため、それらを補っていく心理学として発展させていきたいと考えたようです
ポジティブ心理学のマーティン・セリグマン氏は、持続的な幸福である、より良い状態(ウェルビーイング)を構成する5つの柱について述べています
それはPositive Emotion、Engagement、Relationship、Meaning and Purpose、Achievementの五つで、これらの頭文字を取って「PERMA」と言います
以下にそれぞれの説明をしていきます
1、Positive Emotion:ポジティブ感情
ポジティブ感情とは、肯定的な感情のことで、楽しみ、心地よさ、愛、希望、喜び、笑い、感謝といったものです
このポジティブ感情は、ネガティブな感情を打ち消してくれます
ポジティブ感情を持つことで、落ち込んでも回復が早く、いろんなチャレンジの幅を広めてくれます
ネガティブ感情に縛られていると、思考や行動も消極的になりがちですが、ポジティブ感情は色んな事に挑戦したり、人生の選択を広めてくれます
そして自分は幸せだという気持ちでいると、私たちは学習能力が高まり、想像力や記憶力も向上し、問題が発生しても、新たな解決方法を見出すなどのよい結果が出ます
ポジティブ心理学では「成功して幸せになるのではなく、幸せだから成功する」と言われます
幸せな気持ちでいると、成功もしやすくなってくるのです
2、Engagement:エンゲージメント、没頭や没入
エンゲージメントとは、やりがいを感じる事に夢中で打ち込むことです
みなさんも時間を忘れて何かに夢中になったり、集中していて時間がたつのも忘れてしまうような経験をしたことがあるでしょう
そのように物事に没頭した状態を言います
たとえば音楽を聴いていて、演奏との一体感を感じている時ですとか、絵画を描いていて、時が経つのも忘れて描いていたなど、芸術に没頭する事があり、その状態を「フロー状態」と言いまう
その最中には思考や感情は存在せず、振り返ったときに「あれはすばらしかった。楽しかった」と感じます
つまり幸せになりたければ、何かに没頭できる事を見つけたり、夢中になれる何かを見つけることです
3、Relationship:リレイションシップ、豊かな人間関係
リレイションシップとは、強い絆で結ばれた家族や友人がいたり、、信頼し合える仲間たちがいるなど、充実した人間関係を形成することです
他者とのポジティブな人間関係を築き、他者を頼れる存在として人生を送る事です
そうした他者との関係性や繋がりなどは、人生の幸福に大きな影響を与えます
幸福な人間関係は、他人と自分を比較せず、人との優劣で悩んだり、落ち込んだりせず、自分は自分として生きる事
そして他人に貢献して生きる事が、自分の幸福へも繋がっていくと感じられることです
その仲間たちといると笑顔が増えるのはポジティブ感情の増やしていきますので、良いグループと言えます
逆にネガティブな感情を湧き出させることの多いグループには、なるべく接触をさせるようにすべきという事です
人間が幸せを感じるには愛が最も必要とされ、求められるものです
互いに愛し合い、支え合うような人間関係を持つことが、幸せに繋がります
4、Meaning:ミーニング、人生の意味や意義、及び目的の追求
ミーニングとは、自分の仕事や活動、人生そのものに意味や意義を感じることです
自分の使命を理解して、人生の意味や意義を深く感じます
人生のなかで何が大切かを理解し、何が重要であるかを知り、その活動の中で幸せを得ていきます
そして自分の能力や才能を生かして、世の中や社会、地球や家族のために貢献して生きていく事で、充実した人生を送り、幸せを感じて活動する事です
5、Accomplishment (Achievement):アカンプリッシュメント、何かを成し遂げること、完遂、マスター
アカンプリッシュメントは、大切とする目標を達成することです
何かを成し遂げることで達成感を感じて、人生を満たしていきます
勝負に勝ったり、物事をやり遂げたり、達成することの体験は、ポジティブ感情を生み出していきます
自分が価値のあると認めたことに打ち込み、達成する事が幸せな生き方だと言います
以上が「PERMA」の五つの要素です
この五つを支えるものとして「強みの徳性(Character Strength)」 があると言われます
人間には愛や勇気、正直さ等、普遍的な「徳」があって、誰しも強みとなる「徳」を持っています
その自分の「強みの徳性」を知って、活用する事が大切だと言います
今日はポジティブ心理学について紹介してみました
みなさまの参考になれば幸いです
5 件のコメント:
国際化など考え方が多様化し、心の病の治療としてだけではない心理学や哲学、スピリチュアル的な視点の必要性を感じていて、「ポジティブ心理学」にも興味がありました。
より良い状態にするための5つの「PERMA」や「強みの徳性」を知って活用するなど、参考にさせて頂きます。
わかりやすくご紹介して頂きありがとうございました!
強みの徳性を無料診断してくれるサイトがあったので診断してみました。
1向学心、2親切心、3好奇心、、など20番目まで出てきて納得したり意外なだったりして興味深かったです。(思慮深さやチームワークが下の方にあって、おい!って思いました∑(゚Д゚)
ネガティブな心理、ポジティブな心理…
そのどちらもが国籍問わず共通しているのは、神様が私たちの魂を全く同じ源材料で創られているからこそですね。
だから私たちは嬉しいことも悲しいことも、喜ぶことも怒ることも、みんな似ていてみんな同じ…
なのに、傷つけ合ったり分かり合えなかったりするのは自分最優先のエゴで生きるからこそ!
そもそも神様が目的にされている「みんなでお互いを尊重しあい、思いやりあう」という生き方ができれば、もはやネガティブに対する心理学もポジティブになるための心理学も必要なくなるかもしれません…
心理学や哲学などの学問も、音楽や絵画などの芸術も、(魂が求める本当の目的から離れたエゴの生き方を始めたために)魂の渇望によって深められてきたものと感じます…
ですから、洪さんのメッセージも素晴らしい心理学の1つになるのでは、と思います♪
私も心理カウンセラーとして今後も学びを深めつつ、イエスさんがくださる言葉も頑張ってブログに書いていきますね(๑>◡<๑)
「魂の渇望によって深められてきたもの」、、なるほどです。
どうもありがとうございます!
魂は神様が魂に付託した正しい生き方を記憶しているのに人間はそれを無視して生きるので(私たちは、ついつい良心の声(これこそが魂の声ですが)を無視して生きていますよね?)、そのせいで、悩み苦しむ魂の叫びが学問や音楽や絵画などで現れる…と言ったらさらにわかりやすいでしょうか(^-^)