若くして不慮の事故や病気で亡くなる人もいます
あるいは貧しい生活を送ったり、家庭が崩壊して別れる者もいます
善い人であるのにどうしてそのような不幸に見舞われるのかと考えることもあるでしょう
しかし、人生の中ですべてが順調に行っている時期だけを過ごす人は無く、また、不遇ばかりの人生というものもありません
亡くなられたイギリスのダイアナ妃は、多くの英国民から慕われ、今でも人気のある方です
彼女は名門貴族の家に生まれ、皇太子の妃となり、人生の前半はシンデレラのような栄光と喜びに満ちていたでしょう
おそらく多くの人は、そうしたシンデレラ物語にあこがれ、自分もそうした人生を歩んでみたいと思う事もあるでしょう
しかし、結婚後は様々な不幸がダイアナ妃を襲います
チャールズ皇太子は別な方が本当は好きだったようで、ダイアナ妃を飾りのように思っていたのかも知れません
夫の思いを知った彼女は辛い思いをしたでしょう
二人の子供をもうけますが、後に離婚することとなります
そしてパパラッチと呼ばれるカメラマンが、彼女の周りをうるさい蠅のように飛び回り、始終彼女のゴシップを狙っていました
さらに追いかけてきたマスコミをまこうとしてスピードを出していた車が事故を起こし、36歳という若さで亡くなっています
パパラッチたちは事故を起こした彼女を助けようとするでもなく、彼女の死亡時の破損した姿を写真に撮っていました
ダイアナ妃は地雷除去のための活動を行い、世界的なキャンペーンの高まりを作りました
またエイズ病棟を訪問し、彼女が手袋を着用せずにHIV陽性の患者と握手します
その写真が世界各地で報道され、それまでの「HIV・エイズは触れただけ危険だ」という人々の間違った認識を覆すことに貢献しました
それ以外にも様々なボランティア活動に貢献します
なかには批判的な意見もありますが、ダイアナ妃のなかに善なる思いが宿っていた事は間違いないでしょう
彼女の人生の前半は、容姿端麗で名門貴族に生まれ、王子と結婚するなど、だれもがうらやむような人生でしたが、後半は様々なる不遇の人生を歩まれてきたと思います
善良なる魂であったのですが、若くして不慮の事故で亡くなるという経験をしています
このように人生には山あり谷ありで、ずっと得てばかりの人生も、ずっと失ってばかりの人生もありません
彼女のように善良なるこころを持っていたとしても、人生の試練に見舞われることはあります
後の歴史に名前を残す偉人であっても、様々なるドラマがあり、不幸と見える出来事が必ず訪れています
キリスト教のイエス様も、最後は十字架にかかり、罪人と共に殺されています
ギリシャの聖人として有名なソクラテスも、最後は人々から訴えられ、毒杯を仰いて亡くなりました
こうした現象のみを見ると、よい人は不幸になるように思えるでしょう
しかし、死の前の一時的な出来事が不幸に見えたとしても、その人生のすべてが悪いものではなく、多くの喜びも幸せも経験しているでしょう
人は何かを得ることで、何かを失う事があるのです
両手に抱えられる量には限りがあるため、何かを拾い上げれば、その手からは何かが落ちていきます
何かを捨てていけば、別な新しい何かを手に入れられます
苦難はそれを乗り越えて、魂が向上していくために存在しているものでもあります
苦しみや悲しみを乗り越えて、人は大切なものを手に入れるのです
3 件のコメント:
いつもありがとうございます。
辛いこと大変なこともたくさんありましたが、確かにちゃんと思い出してみると良いこともたくさんありました。
良いことは、その時には「当たり前」と思ってしまっていたのだと、自分の傲慢さを反省します。
大掃除をしながら、お世話になったモノに感謝をし、不要になったものは手放して行こうと思います。
何かを得ると何かを失う。逆に、何かを失うと何かを得る。
人生、プラスマイナス、ゼロ。
ただし、このおかげで。学ぶことが多いと思います。
いつも勉強になります。
ダイアナ妃は自分が不幸と思われると、結構いい人生だったのだけどな、と笑顔で言うかも知れませんね。