洋の東西で様々な説明もされていますが、日本の神道における霊魂の解釈は真実を現していると思いますので少し説明したいと思います
昔の神話には大国主命のもとに「吾は是汝が幸魂奇魂なり」という神が現れ、三輪山に祀られたという話があります
大国主命ご自身の魂の現れとして、別な形の幸魂奇魂という存在があることを示しています
つまりは地上にいる大国主命に宿っている魂もいますけど、それ以外にも別な特徴をもった魂もあるということです
実はこれはスピリチュアルで言う所のグループソウルを示しているといえるのですが、詳しくは後述します
それ以外にも『古事記』には、神宮皇后が、「墨江大神の荒御魂」を国守神として新羅に祀ったとあります
荒魂や幸魂、奇魂などの現れをするというものです
そして幕末になると、平田篤胤の弟子である本田親徳さんが一霊四魂という説を述べます
一霊四魂というのは、神や人には荒魂(あらみたま)・和魂(にぎみたま)・幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)の四つの魂があり、それら四魂を天と繋がる直霊(なおひ)という一つの霊が統べているというものです
それぞれの魂には特徴があって、荒魂は「勇」、和魂は「親」、幸魂は「愛」、奇魂は「智」という特徴があり、それらを直霊が統べています
それぞれの魂の特徴を個別に見ていきます
一つ目、勇をつかさどる荒魂は、前へと前進する推進力のようなものです
活発で行動力があり、外向的な人というのは、荒魂の働きが強い人です
二つ目、親をつかさどる和魂は、人々と親しくし、共に交わる力です
周囲と調和し、平和を望んで、親和力の強い人は和魂が活発な人です
三つ目、愛をつかさどる幸魂は、人を愛し育む力です
人を思いやる心、優しさや愛情を強く持つ人は、幸霊の働きの強い人です
四つ目、智をつかさどる奇魂は、物事を観察し、分析し、理解する力です
冷静に物事を見定め、真理を求めて探求する思いの強い人は、奇魂の強い人と言えます
このように四つの魂にそれぞれ特徴があり、人によってその働きに強弱があると考えられています
それぞれどちらかに片寄ってしまうといけないので、天と繋がっている直霊が軌道修正し、正していくとされます
あまり愛に傾きすぎると冷静な判断が出来なくなり、智に走ると冷酷になってしまうため、それらのバランスを取って修正するのが直霊です
このように一霊四魂によって成り立っているとする説があります
魂の構造として知情意などの特性に分かれてみるという事もありますが、グループソウルの理論にも通じるものでしょう
人間の魂というのは、この世に肉体をもって生まれている部分(私たちの意識)だけではなく、あの世に残した魂の部分もあります
むしろこの世に生まれて来るのは、本来の魂の一部であると言えます
あの世に残った魂には、実は、前世や過去世と言われている意識も存在しています
それらがあの世にあって、この世に生まれてくる私たちを助け導き指導している事があり、それを守護霊と呼びます
そのように、地上にいる私たちの意識は、魂の全体からするとその一部であり、霊的には別な側面を持った魂の部分があの世に存在しています
それを古代の日本では四魂と呼んだりしていたのでしょう
さらに一霊(直霊)という表現が本田親徳さんの説でありますが、これは魂の中の本体部分を現しているといえるでしょう
私たちの魂は様々に別れ出てきますけど、その中で中心となる核のような存在があって、それを本体と言い現わすことがあります
このように日本の神道で伝えられる霊魂の構造は、実際の霊的真実をある程度現しているものと言えます
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