昔、ある農夫が自分の畑を耕して暮らしていました
そこに旅人がやってきて宿が無くて困っていたので、農夫は自分の家に泊めてあげました
その晩、旅人はお礼も込めて、自分が旅した中で聞いた色んな変わった話を、農夫に聞かせてくれました
旅人が聞かせてくれた話はどれも面白いものでしたが、特に農夫の注目を集めるものがありました
それはダイヤモンドを手にして大金持ちになった者の話でした
農夫はいままでそんな高価な石があることすら知りませんでしたが、すぐ近くの土地で、地面のなかからダイヤを発見し、それだけで農夫が稼ぐ何年分ものお金を手に入れたとのことでした
旅人がさってからも農夫の心はダイヤモンドの話しで占められました
「自分もダイヤモンドを発掘して、お金持ちになろう」と思い始めました
それでまずは自分の持っていた土地を掘り始めたのです
「ひょっとすると自分の土地にもダイヤモンドが埋まっているかも知れない」そう思って掘り進めます
農夫は少し掘っては出ないとわかると、次の場所にいって掘り進めます
そしてまたでないと思うと次を掘り、しまいに農夫の土地は穴だらけになりました
農夫は「自分の土地にはダイヤモンドは埋まっていないのだろう。売り払って別な土地を探そう」と決めました
もともと持っていた土地を売り払い、農夫は色んな人から話を聞きだして、ダイヤモンドが取れそうな土地を探し歩いていきます
そして岩だらけの貧しい土地を見つけ「ここにダイヤがあるに違いない」と思って、土地を買い入れて、採掘を始めました
ですがいくら掘っても岩だらけで、いっこうにダイヤは出てきません
すっかり疲れはてた農夫の耳に、ある噂が聞こえました
それは以前に農夫の土地だった場所で、新しい所有者が土地を掘ると、そこからダイヤの原石がたくさん取れるようになったとのことでした
農夫はショックのあまり倒れ込んでしまいました
聞くところによると、農夫が掘って出てこなかったと思った穴を、ほんの数センチ深く掘っただけで、ダイヤは発見されたとのことでした
この話は有名なダイヤの話しを少しアレンジしたものです
いったいどんな意味が含まれているでしょうか
この物語には、世の中には成功を目前にして、諦めて別な場所に移ってしまう人が多くいるのだという事を伝えています
あとほんの数センチ掘るだけの努力をすれば、ダイヤモンドは手に入るのに、次々に移り変わっていくために、とうとう手に入れられずに、別な人の手に渡ってしまうという事です
努力が実を結ぶまでには時間がかかります
それを待てずに、次から次と移っていく人が大勢います
あともう少し努力すれば、成功は手に入れられたのに、我慢できずに飛び出してしまうのです
成功を手に入れるためには、粘り強く、時には忍耐力を養いながら、事に当たっていかなければ手に入りません
素晴らしいです
返信削除うらやんでばかりいたのでしみじみきました
ありがとうございます
粘り強く時には忍耐力を養いながら事に当たっていく
自分に足りないところだぁ~
頑張ろうと思えました